2014年08月10日
「きょうの読みどころ」8月10日朝刊 編集編成局次長 花谷寿人
長崎は9日、69回目の「原爆の日」を迎えました。戦争と平和についてだけでなく、自分や誰かの人生にとりわけ思いをめぐらす日であるかもしれません。
【その1 語らねば】
この7月、毎日新聞に載った1枚の写真を見たのがきっかけで、初めて被爆体験を語り始めた長崎の女性(88)がいます。原爆の爆風で鉄骨だけの無残な姿になった三菱製鋼長崎製鋼所。女性の職場でした。「ここにいて、いまも生きている人はほとんどいないはず。私が語らねば」。社会面で。
【その2 ホスピスの僧侶】
終末期医療の施設に常駐し、患者と接する若い僧侶が京都にいます。迫った死と向き合う患者や家族のために何ができるのか。<悲しみは悲しみを知る悲しみに救われ>。ストーリーで。
【その3 5万回斬られた男】
斬られ役一筋の俳優(71)がいます。自身と同じ「大部屋俳優」役で初めて主演した映画が国際映画祭で最優秀賞を受賞。本人も最優秀男優賞に。長い役者人生の晩年に初めて浴びたスポットライト。社会面で伝えています。